FP&A

管理会計のスキルを学ぶための資格は何がいいか?

こんにちはゲンタです。

この記事を読もうとしているということは
管理会計を学ぼうとされていることと思います。

管理会計のスキルは
今後の時代の経理マンにとって
Mustスキルです。

管理会計を上手に勉強するかしないかで
経理のキャリアに大きく差がついてしまいます。

その意味で管理会計の資格を調べるっていうのは
非常にセンスがいいなあと思います。

ですが
管理会計の資格って
正直マイナーなものしかないです。

というのも
管理会計の業務は資格がなくても
できるからです。

公認会計士とか弁護士とか医者とか税理士とかっていうのは
それらの資格がないと
監査報告書にサインできないとか
税務申告書にサインできないとか
資格によって既得権益で守られた仕事なのです。

だから
特に既得権益で囲われていない
管理会計をやるために
資格なんて別にいらん
ということになってしまいます。

ですが
資格の勉強をすると
必然的に勉強できて
アウトプットもできるし

一通りの型を体系的にまとめられているので
これを基礎として一通り流しておくとのは有意義です。

実際僕は簿記1級やUSCPAの勉強をして行く中で
管理会計スキルを基礎レベルで体系的に血肉化できました。

というわけで
オススメの管理会計スキルを学べる資格を
見ていきましょう。

管理会計スキルを学べる資格一覧と特徴まとめ

まずは僕が管理会計スキルを学べるとみた資格をざっくりとまとめます。

簿記一級

・受験料は7,710円
・予備校の受講料はだいたい15万円
・管理会計の基礎スキルを血肉化できる
・鬼畜のような試験ですがおすすめです。しっかりと力が付きます

米国公認管理会計士(USCMA)

・試験代とテキスト代で25〜30万円
・勉強時間300時間
・英語のテストである
・USCPAの方がバッジ力がある
・ただし外資系では一定のバッジ力がある
・管理会計やfp&aの仕事をしたい人は直球なので勉強やっていても楽しいし外資fp&aを目指す人にはおすすめ

Certified Corporate FP&A Professionals

・コストは約15万円
・かなりマイナーな資格でありバッジ効果は低い
・fp&aと入っているので範囲は興味深いが問題のクオリティなどは低く力がつくとは思えない
・fp&aってどんなものかを知る程度の試験でありおすすめできない

管理会計検定・JCMA認定管理会計士

・受験料:6,980円〜8万円
・分析マスターの著者桜井先生が主催している団体が運営しており、管理会計特化の内容としてスキルは意外と身に付く
・バッジ効果はほぼない
・簿記1級をやるほどの気合がなく、管理会計に特化してスキルをつけたい場合はおすすめ

では、一つずつ紹介していきますね。

簿記1級


定番ですが簿記1級です。

あまり知られていないかもしれませんが
簿記1級には結構しっかりとした管理会計のコンテンツが含まれています。

・意思決定会計
・CVP分析
・部門別業績評価
・現在価値計算

などなど一通りの管理会計のネタが
教材に含まれていて
これらをケーススタディ的に
思いっきり計算させられまくります。

練習問題としてやると
管理会計の基礎スキルを
血肉化できます。

実務で使えなくない
というか実務では基礎レベルですね。
教科書的な感じです。

簿記1級ではたくさんの練習問題を通じて
管理会計スキルを血肉化できると言う点
でこれはおすすめです。

 

しかも
後述するUSCMAやCertificated FP&Aよりも安いです。


受験料は7,710円です。

あ、これは予備校に通わないと受かりません。
予備校の受講料はだいたい15万円くらいですね。
(TACの場合)

まあ、Web受講で十分かと思います。

自己投資は倍々ゲームで給与に跳ね返ってきますので
ケチらずにしっかりと投資して行くべきです。

浪費に使っちゃう前に
知識として資産を自分の中に積み上げていくと
将来大きな差を生まれます。

お金がない人はハピタスで稼いで
受講料の足しにしましょう。

本気でやれば簡単に数万円くらいになります。

米国公認管理会計士(USCMA)

次に、今日の真打ちです。

米国公認管理会計士/USCMAです。

この資格は前々から興味があって
いよいよ勉強してみようかな〜っと
思っていました。

でも、なんだか今更資格とってもな〜
っていうのと
実務で忙しいからな〜ということで
なかなか手をつけられてきませんでした。

ざっと試験スコープを見ると
個人的にはああやらなくても
良さそうかな〜って感じです。

簿記1級と大して変わらなそうですし
新たな学びがなさそうです。

それなのに結構な時間(300時間くらい)は取られ
試験代とテキスト代で25〜30万円くらい行っちゃうのは
なんだかな〜っという感じがしています。

もっと、データ分析とかから
仮説を生み出すところとかを
鍛えたいんだけどなと

やっぱり
この辺は自分で実践の中で
やって行くしかさそうですね。

オレ流で

落合博満も言ってますが
結局は自分の頭で仮説を考えて実行して
修正していくしかないと。

それが一番強いと

思考力を鍛えたもん勝ちは間違いありません。

作業型→思考型が必須です。

経理マンが思考力を鍛え上げるためにやるべきことは何か?こんにちはゲンタです。 今日はこのブログのテーマである思考力の鍛え方について 話をしていきたいと思います。 行き着く先は実...

ですが、こんな方にはオススメです。

・すでに経理経験があって、簿記2級までしかとってない。

・USCPAは取得していない。

・これから、管理会計の仕事をやっていきたい。

USCPAよりもUSCMAに行った方が希少性が高く
特に外資系のFP&Aとかのポジションであれば
間違いなく評価が上がります。

何よりも勉強したい内容に直結なので
モチベ湧きますよね。

その後、実務でつまずいたりしながら、
本物の力をつけていけば良いかと。

すでにUSCPA持っている人である程度
管理会計の基礎がわかっている人は
わざわざとる必要ないんじゃないですかね。。。

少なくとも僕はとる必要ないと思いました。
(時間の無駄かと)

どうしても管理会計領域のキャリアに行きたい!
けど、

それを証明するものがないから
USCMAを取得して
カタパルトにしたいという人は
もう、転職活動しちゃうっていうのが
早いんじゃないですかね。

どうしても社内でという場合は
社内でロビー活動をした方が早いです。

なんせ、この資格も相応に時間かかりますからね。

一応、USCMAの試験概要を書いておきますね。

USCMA の試験概要

試験費用:受験料二科目(415ドルずつ)+事前のIMA登録(245ドル)+受験申請(250ドル)

試験時間:4時間ずつ

試験時期:1、2、5、6、9、10月に可能

試験会場:プロメトリックテストセンター(日本での受験が可能)

受験資格:4年生大学の卒業

試験スコープ:

Part1/Financial Planning, Performance and Control(財務計画、業績管理と統制)

External Financial Reporting Decisions 15%

Planning Budgeting and Forecasting 30%

Performance Management 20%

Cost Management 20%

Internal Controls    15%

 

Part2/Financial Decision Making(財務的意思決定)

Financial Statement Analysis 25%

Corporate Finance 20%

Decision Analysis 20%

Risk Management 10%

Investment Decisions 15%

Professional Ethics 10%

簿記1級をやるのがだるいなーと思う人で
管理会計だけを勉強したい場合は
USCMAをやると良いです。

USCMAで管理会計の基礎知識は
身につけることができます。

Certified Corporate FP&A Professionals

最近、発見したのですが
米国にはこんな資格まであるんですね。

FP&Aの資格です。

で、これを調べて見ると
スコープが結構面白そうなんですよね。

少なくとも
USCMAよりもよりビジネスチックで
良いなと。

ちなみに、こんな感じです。

特にPart2とかいいですよね。

PART I
Financial Acumen: Gathering, Interpreting, Understanding and Communicating Business and Financial Information

Chapter 1: Information and FP&A
Chapter 2: Strategy
Chapter 3: Organization
Chapter 4: Industry
Chapter 5: Macroenvironment
Chapter 6: Finance Principles and Processes
Chapter 7: Financial Accounting and Reporting
Chapter 8: Ratio Analysis
Chapter 9: Managerial and Cost Accounting
Chapter 10: Microeconomics
Chapter 11: Managing FP&A Projects
Chapter 12: Effective Communication

PART II
Financial Analysis: Building and Interpreting Financial Projections

Chapter 1: Specifying Outputs and Getting Inputs
Chapter 2: Improving Quality of Information
Chapter 3: Refining Data, Risks and Opportunities, and Plans
Chapter 4: Building and Refining Models
Chapter 5: Using Models and Sensitivities/ Scenarios
Chapter 6: Making Conclusions and Recommendations
Chapter 7: Analyzing Information and Giving Feedback
Chapter 8: Looking Forward
Chapter 9: Sales Volume and Revenue Projections
Chapter 10: Financial Statement Projections
Chapter 11: Valuing Projects, Customers, Deals, and Products
Chapter 12: Risk Analysis
Chapter 13: Applying Best Practices to FP&A Technology/ Software
Chapter 14: Using Worksheet and Worksheet Functions
Chapter 15: Working with Databases, ERP/GL and BI Systems

テストdemoを見てみたのですが
問題自体は結構、がっかり系でした。

なかなか問題にしにくいのかもしれませんが。。

資格としては
マイナー過ぎるので資格をとっても
バッジの威力はないでしょう。

あくまでも、FP&Aとはなんぞや
というところを知るための資格
という感じです。

ちなみに
これの勉強コストは
1200ドルくらい(15万円くらい)でした。

管理会計検定・JCMA認定管理会計士

次に日本公認管理会計教育協会(JEIMA)が
主催する管理会計検定について紹介します。

JEIMAは私が毎回、管理会計の本としておすすめしている
櫻井道裕先生が会長を務める団体です。

これはかなりマイナーな資格ですが
USCMAを主催するIMA米国公認管理会計協会から紹介される
最先端の手法をベースに作成されていて
USCMAの前哨戦として位置付けられています。

管理会計検定には2級、1級
その後JCMA認定管理会計士
とステップがあります。

内容としてはこんな感じです。

管理会計検定2級

◎出題範囲:

・経営の基本と管理会計
・管理会計と財務会計の基礎
・貸借対照表の本質的理解
・損益計算書と収益性分析
・キャッシュフロー分析
・CVP分析
・原価計算の基本概念と手続き
・計画のための予想技法
・利益計画・予算編成と分析統制
・差額原価収益分析

◎受験料:6,980円

◎勉強時間:80時間

 

管理会計検定1級

◎出題範囲:

2級の範囲に加えて
・管理会計を活用するための前提となる経営的知識
・経営理念と経営ビジョン
・経営戦略の理論
・バランストスコアカード
・組織論
・モチベーションの基礎理論
・資金調達
・原価情報の活用
・直接原価計算
・価格決定と原価計算
・原価差異分析
・事業部の業績評価
・投資を伴う意思決定

◎受験料:19,800円

◎勉強時間:200時間

JCMA認定管理会計士

◎出題範囲:

1級の知識に加えて、
・経営戦略
・組織運営
・マーケティング
・生産管理
・モチベーション
・オペレーション

等の専門的知識を前提とした

具体的な経営課題解決のための思考能力が問われます。

◎受験料:8万円

◎勉強時間:200時間

 

なかなか、管理会計に絞った良いトレーニングができると思います。

さすが櫻井先生と言う感じです。

USCMAはバッジの力はありますが
コストも高い上、英語なので
まずは日本語で管理会計のスキルを身につけるのであれば
こちらの方がハードルが低くて良いと思います。

まとめ

まとめます。

米国公認管理会計士(USCMA)

・試験代とテキスト代で25〜30万円
・勉強時間300時間
・英語のテストである
・USCPAの方がバッジ力がある
・ただし外資系では一定のバッジ力がある
・管理会計やfp&aの仕事をしたい人は直球なので勉強やっていても楽しいし外資fp&aを目指す人にはおすすめ

Certified Corporate FP&A Professionals

・コストは約15万円
・かなりマイナーな資格でありバッジ効果は低い
・fp&aと入っているので範囲は興味深いが問題のクオリティなどは低く力がつくとは思えない
・fp&aってどんなものかを知る程度の試験でありおすすめできない

管理会計検定・JCMA認定管理会計士

・受験料:6,980円〜8万円
・分析マスターの著者桜井先生が主催している団体が運営しており、管理会計特化の内容としてスキルは意外と身に付く
・バッジ効果はほぼない
・簿記1級をやるほどの気合がなく、管理会計に特化してスキルをつけたい場合はおすすめ

とりあえず簿記1級とれば
いわゆる管理会計スキルの基礎は身につきます。
(実際、僕はこれでほぼマスターしました)

管理会計だけに絞った勉強がしたい場合は
JEIMAの管理会計検定試験と
認定管理会計士もおすすめです。

次にUSCPAにいくか
USCMAにいくかは
次の基準で選べば大丈夫です。

・資格(バッジ)の力が欲しい人はUSCPAを選ぶ。

・すぐに管理会計とかFP&Aをやって行きたいぜっていう人はUSCMAに選ぶ。

 

ちなみにFP&Aとかビジネスコントローラーとしての
実務的な管理会計スキルは
やはり、もっと別のところで勉強するべきです。

こちらの記事でそこそこ具体的なことが言えているかなと。
まあ、僕の場合リアルに実践していますからね。

よかったら読んでみてください。
参考書籍も紹介しています。

管理会計の手法を具体例から学びたい!ザ・分析マスターを読んで解説しますこんにちはゲンタです。 今日は管理会計の手法と具体例について 僕が実務で実践した具体例も使って 説明していきます。 管理会計...
【管理会計の具体例まとめ】経理から業績に貢献する具体的な方法について、実務で使う方法を考えてみた今日は管理会計を使って、 具体的に経理からどうやってバリューアップに貢献できるのか? について話をしていきたいと思います。 と...

こんにちはゲンタといいます。

自己紹介をします。

<昔>
・元ニート兼プータロー
・零細企業経理部で伝票を起票したり請求書を発行したりと作業仕事
・年収は300万円で、超いけてない経理マン

↓その後、改善施策を実施

<今>
・海外CFO
・従業員数千人企業の管理部門、M&A、FP&Aを統括
・年収は数千万

大きく変わることができました。
変わるポイントは作業型から思考型に仕事を変えていったことでした。

ブログのコンセプトは、 Beyond the Financeと言います。

なんだそりゃって感じですよね?

”作業地獄型の経理から脱出して、思考型経理になろう”
というのがその意味です。

思考型経理って一体なんだろう?と思っていただけたら
下記のリンクから読み進めていってください。

皆さんの人生が変わるきっかけになるかもしれません。

よろしくお願いします。

このブログの目的~Beyond the Financeはじめに こんにちはゲンタです。 僕は大学時代にさぼってしまい大学卒業後も就職もせずにぷらぷらとニートになりました。 その後、...

ゲンタ