FP&A

【保存版】FP&Aとは一体何なのか?〜その役割やメリットについて

こんにちはゲンタです。

今日はFP&Aとはそもそも何か?
について掘り下げて行きたいと思います。

fp&aの仕事を深く知ってもらうことで
この職種に興味を持つ人が増えたら良いな
と思ったからです。

この記事をみているということは
管理会計やfp&aに興味がある方だ
と思います。

これからの時代の経理マンはfp&aとして価値をうむ


これからの時代は経理マンは
FP&A(管理会計)の仕事をやっていくことで
実際に価値を生み出していく職種になるというのが
自然な流れであることは
間違いありません。

なぜなら
RPAやAIなどの導入により
いわゆる財務会計の領域の仕事は
少なくなっていくからです。

またこういう流れにより
本質的な価値創出に
携わっているかどうかを
かなり厳しく問われていく
時代となります。

財務会計が価値を生み出していない
とは言いませんが

可能な限り短時間で
財務会計を効率的にこなし
企業価値向上に貢献するFP&A(管理会計)に
フォーカスしていくべきであるのは
間違いありません。 

FP&A(管理会計)はルールがはっきりとないため
自分の思考力を試されます。

思考して本質的な価値を生み出せる
仕事の方が断然面白くないですか?

そういう意味でFP&Aに興味を持っている人って
非常にセンスがいいな〜と思います。

昔、僕もFP&Aに興味があると言われた時に
転職エージェントにこんな風に言われました。

「その通りです。さすがですね。」
「これからは管理会計FP&Aが重視されています」

それでは早速説明を始めたいと思います。

fp&aレポートラインから考えるポジションの独自性


fp&aとはfinancial planning & analysisの略です。

もともと米国の企業で始まった職種で
外資系の企業には大抵この部門があります。

逆に日系企業にはあまりない職種です。

最近は資生堂や楽天やソフトバンクなどで
名称としては導入されつつあります。

そもそも
欧米でのfp&aは組織の位置付けが
異なります。

それが端的にfp&aとはなんなのかを示しています。

欧米企業ではfp&aは
CFOと事業部ヘッドに
レポートラインを持っています。

各事業部付きのfp&aは
事業部ヘッドにレポートしつつも
本社CFOへもレポートラインを持ちます。

また、重要なポイントとして
本社CFOによって人事評価されるのです。

評価ラインが分けられているけど
事業部ヘッドへレポートをする責任を持つ
なんとも難しいポジションの人
というのがポイントです。

それがfp&aの役割を端的に意味していると思います。

つまり
事業部ヘッドに貢献し事業部利益の向上を目指しつつも
CFOにレポートし全社利益の向上とコントロールを行う
という全社最適を行う役割だということですね。

このような調整業務的役割を
日本企業では経営企画室が
一部は受け持っています。


経営企画室は
逆に現場の利益貢献は全くしません。

その意味でfp&aって
ほんと面白いポジションですよね。

https://beyondthefinance.com/%e5%a4%96%e8%b3%87%e7%b3%bb%e3%81%aefpa%e3%81%a8%e6%97%a5%e7%b3%bb%e4%bc%81%e6%a5%ad%e3%81%ae%e7%ae%a1%e7%90%86%e4%bc%9a%e8%a8%88%e3%81%ae%e6%a5%ad%e5%8b%99%e3%81%ae%e9%81%95%e3%81%84%e3%81%a8/

https://beyondthefinance.com/fpa%e7%b5%84%e7%b9%94%e3%81%ae%e6%ad%b4%e5%8f%b2%e3%81%8b%e3%82%89%e5%ad%a6%e3%81%b6%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e7%b5%8c%e7%90%86%e3%83%9e%e3%83%b3%e5%83%8f/

fp&aの役割とは?


fp&aの
役割はこういうものです。

各ビジネス部門に対して
経営者が必要なビジネスの判断に必要な分析を行い
さらに打ち手までも一緒に考え
打ち手の実行を見届ける
というような役割です。

ビジネスの現場に近く
経営陣とも近くにいる
財務マンっていうことです。

財務の人はビジネスの現場から遠くにいて
ゆったりと伝票起票をするのが好きな人が多かったりしますが
fp&aはビジネスの現場に近くいる財務マンのポジションです。

また現場に近いということは
ビジネスで価値を生み出す現場に近いわけです。

ですから
ビジネスの価値創造に
深く関われる可能性が
高まります。

fp&aなしの会社例から考えるfp&a役割のイメージ

わかりにくくなってきたと思うので
具体例で説明します。

例えば
FP&Aがいない中小企業で社長がいるとしますよね。
すると大体こんな感じの会話が社内で繰り広げられます。

(経理部長)
「今年の決算はこうでした。
  コストの差異表も科目別に出しております。」

(社長)
「おい、今年は妙に物流費が高かったな。
   どうしてなんだ?」

(経理部長)
「今年は売り上げの増加もありましたが、
 言われてみると売り上げ比率では
 上がってしまっていますね。」

(社長)
「それじゃ、困るんだよ。
   おーい、物流部長。
   ちょっときてくれ。
   物流費が上がってるんだが、
  何故なんだ?」

(物流部長)
「いやー、ちょっと分析してみないと
  わからないですね」

(社長)
「コストの要因分析して、
  どうやったら来年売り上げ比率で
  2%下げられるかの打ち手まで
  考えておいてくれよ」

(経理部長、物流部長)
「承知しました」

これがFP&Aがいる会社だと
当然のように売り上げ比率分析を
終えてあります。

さらに
どうしたら売り上げ比率を下げられるのか?
の方策を物流部長と話おえてあります。

そして社長から問われる前に
物流部長と一緒に社長へ提案する。

さらに打ち手の実行も
物流部長と一緒に社内外調整を行い
実行の成果まで見届ける。

というような感じです。

つまり社長の代わりに会社を然るべき方向に
持っていくという役割な訳です。

fp&aの仕事は社長が求めることをやることである

ぶっちゃけ
僕が上場企業の本社経理にいたときに
提案する機会なんかほとんどなかった
です。


だって、

要求されることって、
ちゃんと決算やることだったり、
ちゃんと子会社管理することだったり、
ちゃんと送金手続きを行うことだったり、
ちゃんと税務申告を行うことだったり
でした。

で、それって超絶つまらんです。
いや、正確に言うとはじめてやるときはワクワクしてました。

キャリア構築上、ついにこの業務をできるようになったか
という観点からです。

やってしまうとこれらの業務って退屈で退屈で

こんな退屈な仕事、

3年間もやってられるかーーーーーーーー

人生は有限なんじゃーーーーー

付き合ってられるかーーーーー

と思っておりました。

で、
一方で、僕がワクワクしたのは
会社の利益に直接影響を与えることができたときです。

なんでかっていうと、やっぱり会社は金を稼ぐのが仕事なんで、
ここに影響を与えられると周りの見る目がめちゃくちゃ変わります。
(しかも、そんなに大して苦労しないで可能です)

仕入れ運賃コストを削減できたとき
保険コストを削減できたとき
人件費削減できたとき
無駄なコピー代を削減できたとき
無駄うち促進費を削減できたとき
人員を適切に移転できたとき
M&Aを成功させたとき
プロフィット部門から感謝されたとき
社長表彰されたとき
数10億円の利益インパクトを与える策を成功させたとき

こういうことって難しそうに見えて
意外とそれほどむずかしくないんですよ。

社長はこういう提案を求めてるんです

いやでもそんなのできないよと
思うかもしれませんが
意外と簡単です。

ただ、現状を視覚化してあげるだけです。

現状を視覚化しますよね?
で、社長に見せますよね?

そうすると、社長から指示がきます。

これとこれを比べろとか
このコスト細かくこうやって調べてみろ

とかいわれます。

で、やりますよね?

即コスト削減できてます。
そんなもんなんです。

ぶっちゃけFP&Aといっても
特殊な技とかないんですよ。

視覚化するってのがポイントです。

fp&aの教材(英語)から
fp&aの機能について説明が書いてあったので
日本語で書き出してみたいと思います。

fp&aの10機能


ちょっとかたっくるしいですが、あえてそのまま書き出します。

FP&Aの具体的な10の機能

1 会社の意思決定においてFCFを増加させるROIが高いビジネスジャッジかどうかを評価する。

2 会社の財務状況が健全かどうかをDebt to Equity RatioやCurrent Ratioなどによりチェックする。

3 チャネル別製品別の収益性分析を行い、何がNet Profitを生み出しているかをチェックする。

4 チャネル別製品別の収益性分析に基づき、会社がどのような行動をとったらより収益性を向上できるかの施策を作る。

5 コスト分析を行い、どの部署が会社のコストをどれだけ消費しているかの分析を行う。

6 予算策定をパッケージ化する。

7 各ビジネス部門長に対して意思決定支援のためのレポーティングを行う。

8 会社のビジネスを財務モデルに落とし込み、着地見込みの策定や会社の予算策定や将来像の分析に役立てる。

9 着地見込みを予算比較、過去と比較し、差異について説明をした上で、どのように改善すべきかを促す。

10 会社が成長するための機会や施策について提言を行い、リソースと施策についてい整理を行う。

ビジネスに関わる数字の部分はなんでもっていう感じですかね。

つまり定量分析によって経営判断に
貢献するという役割というわけですね。

fp&aに求められるスキル

では
定量分析によって
経営判断に貢献する役割である
fp&aに求められるスキルって
どんなものなのでしょうか?

財務会計スキル

いくら管理会計の仕事だとはいえ
数字のコントロールをするためには
財務会計スキルは必須です。

これがないと
正確にPLを予測することが
できません。

管理会計スキル

一般的な管理会計スキルはもちろんなくてはいけません。
具体的には投資採算分析や商品別チャネル別顧客別収益分析や
損益分岐点分析から財務モデリングスキルなどです。

その中にCVP分析やNPV分析などの技も
当たり前にように入ってきます。

これらのツールを使いこなすことが求められます。

ITスキル

ERPからデータを引っ張って
効率的にデータを分析することが求められ、
ITツールを使いこなすスキルも必須です。

英語スキル

fp&aは日系企業ではまだまだ求人が少ないです。
そして外資企業では求められることが多いです。
そのため英語スキルが求めれます。

コミュニケーション・プレゼンテーションスキル

最も重要なのがこれです。

fp&aは社内外を説得して
会社を然るべき方向に方向づけていくため
コミュニケーションやプレゼンテーションスキルが
求められます。

ただ数字をまとめて
レポーティングしていれば
良いわけじゃありません。

コミュニケーション力が最重要です。
社長じゃないのに社長が求めていることを
やらなくてはいけないので
上手くやらせるように仕向けなくてはなりません。

fp&aの仕事やることでどんなメリットがあるか?


ビジネスの現場に近くいて意思決定を支援できるので
ビジネスとファイナンスを
結びつけるセンスが磨かれます。

ファイナンスの専門性も結果的に磨かれます

これは意外に思われるかもしれません。

大概のfp&aに関する説明においては
財務会計の専門性は別部門
(financial accounting 部門)がやるから
fp&a部門はそこまで専門性が
高くなくても良い。

っていうのが
一般的なイメージです。

ですが、
会計って出来上がったビジネス事象を
記録するためのものですから
それを事前に作り込むわけなので
詳しくないとできません。

FP&Aが作った数字に沿って
財務会計させるくらいのノリが必要
なわけです。

これを実現するには
FP&Aは財務会計部門に負けない
財務会計知識
が必要だってわけです。

結果、これらの専門性が磨かれるってわけです。

M&Aなどもやりますしね。

僕はM&Aの専門家ではありませんが
これまで経験したM&Aから思うに
いわゆるディールの専門家になってしまってはダメで
やはりビジネスそのものを深く知っていること、

それと、ファイナンスの専門知識がある人がM&Aによって
価値を生み出せるプロデューサーになれると考えてます。

つまり、FP&AがこのM&Aの仕事においても
有利になると断言できます。

まあ、こうしてみると
fp&aがファイナンスキャリアで
早く昇格していくのは当たり前ですね。

経験できる内容が濃く
企業経営上重要なことばかりです

fp&aをやることでファイナンス知識があって、ビジネスセンスを獲得すると将来のキャリアはどうなるか?

fp&aをやると
ファイナンスのキャリアの最高峰に
行ける可能性がかなり高まります。

CFOになりたい人は
必ずfp&aを経験すべきだ
ということです。

ですが
日系企業にはfp&aポジションは
ぶっちゃけ少ないです。

それに代替するようなポジションや部署を
経験することが必須になるわけです。

ポイントは
意外と気づいていない人が多い
ので
fp&あを知れただけでも
希望するキャリアに
近づいていると言えます。

なお
外資系企業でのfp&aの年収は
経理系キャリアの中でも頭抜けて
高く設定されています。

それだけ重宝されるスキルだというわけです。

しかも人材は少なく、不足している。

まあ、美味しいよな・・・というのが率直な感想です。

https://beyondthefinance.com/fpa%e3%81%ae%e5%b9%b4%e5%8f%8e%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%a9%e3%82%8c%e3%81%8f%e3%82%89%e3%81%84%e3%81%aa%e3%81%ae%ef%bc%9f/

fp&aに向いている人の特徴は?

次に、FP&Aに向いている特徴について

メモっておきたいと思います。

 

・分析業務が好き

・細かくチェックするのが得意

・ITに強いこと(特にERPへの知識)

・何か新しい機会を発見できること

・セルフスターター

・関係者を調整するのが得意

・エクセルとパワポが得意


やはり数字に強く、細かい業務をてきぱきとこなせる
賢いスマートなタイプが向いているということです。

ですが、賢くて高飛車ではダメです。

なぜなら、関係者間を調整できなければならないからです。
その時には人間的な調整業務が発生します。

https://beyondthefinance.com/fpa%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%abuscpa%e3%81%ae%e8%b3%87%e6%a0%bc%e3%81%af%e6%9c%89%e5%8a%b9%e3%81%8b%ef%bc%9f/

まとめ


色々と話しましたが、

結論は
これからの時代のファイナンスがやるべき仕事はFP&Aだ
ってことです。

で、FP&Aの仕事は
定量的な分析によって
企業価値を生み出すことに貢献すること
だってことです。

だから、ある意味答えがない中で
答えを出していく仕事であり
人によっては面白い仕事だと思います。

じゃあ、そんなの既存の経理マンにできるのか?
っていうと、すぐにはできないでしょう。

でもまあ、できることから始めればいいだけですし
いわゆるレポートを作るだけのFP&Aの人も
世の中には大量にいます。

だけど、それじゃあつまらんですし、そういう人はこれから淘汰されていきます。

レポーティングはロボ化されて消えますから。

人間しかできない価値創出ができる人材になれば
なんでもできるし面白い人になれます。

こちらの記事ではfp&aスキルの習得方法を書いていますので
参考にしてください。

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こちらの記事では管理会計の資格について紹介しています。

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より具体的に知識を使ってどうやって実務に活かすのか?について書いています。

管理会計の手法を具体例から学びたい!ザ・分析マスターを読んで解説しますこんにちはゲンタです。 今日は管理会計の手法と具体例について 僕が実務で実践した具体例も使って 説明していきます。 管理会計...

こんにちはゲンタといいます。

自己紹介をします。

<昔>
・元ニート兼プータロー
・零細企業経理部で伝票を起票したり請求書を発行したりと作業仕事
・年収は300万円で、超いけてない経理マン

↓その後、改善施策を実施

<今>
・海外CFO
・従業員数千人企業の管理部門、M&A、FP&Aを統括
・年収は数千万

大きく変わることができました。
変わるポイントは作業型から思考型に仕事を変えていったことでした。

ブログのコンセプトは、 Beyond the Financeと言います。

なんだそりゃって感じですよね?

”作業地獄型の経理から脱出して、思考型経理になろう”
というのがその意味です。

思考型経理って一体なんだろう?と思っていただけたら
下記のリンクから読み進めていってください。

皆さんの人生が変わるきっかけになるかもしれません。

よろしくお願いします。

このブログの目的~Beyond the Financeはじめに こんにちはゲンタです。 僕は大学時代にさぼってしまい大学卒業後も就職もせずにぷらぷらとニートになりました。 その後、...

ゲンタ