こんにちはゲンタです。
今日は日本の有名CFOのたどった経歴から
CFOになるためのキャリアを学んで行こうと思います。
ということで今日は有名なスリーエムジャパンの昆政彦さんを
紹介したいと思います。
昆政彦さんの経歴から学ぶ
まずは経歴からです。
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1985年 早稲田大学商学部を卒業
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1985年 三菱電線入社
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1990年 GEジャパン
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1994年 GE横河メディカルマネージャー
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1997年 GE米国本社シニアファイナンスアナリスト
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2000年 GE横河メディカルCFO
*2002年シカゴ大MBAを取得、おそらくこの辺りで米国公認会計士を取得
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??年ファーストリテイリングCSR担当役員/PMI担当
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2005年 GEキャピタルリーシングCFO
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2006年 スリーエムジャパンCFO
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2020年 スリーエムジャパンCEO
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こんな感じですね。
1959年生まれとのことで大学卒業時点で25、6才なのが
理由はわかりませんが、大学時代に何をやられていたのかな〜と
また、三菱電線という会社がどんな会社なのかわかりませんが
日系大手企業からGEに転職するというのも
当時としては珍しいことなのではないでしょうか。
しかし、このGEに転職するというのが彼の経歴で非常に重要な転機だったはずです。
やはり人と違うことをしないと人生成功できないなーとも感じます。
彼は経歴に関するインタビューでこんなことを言っています。
「財務を追求して結果、非財務に関することに目がいくようになりT型キャリアを作れた」
「GEにいて世界の財務のベストプラクティスを学びMBAも取得できたことが大きい」
非財務に目が届くT型キャリア
という点と
GEの環境
の2点がポイントです。
まずはGEの環境から説明したいと思います。
GEの財務人員の特別育成プログラム
GEの財務の先進性はこのブログでも触れていますが
僕も20歳代であったら、GEの財務を経験したかったと思っています。
実際、GEのキャリアを経験した多くのかたが
別の事業会社のCFOになられていますし
優れた経歴を残していっています。
これには理由がありまして、
GE自体がファイナンスを非常に重視していて
ファイナンスの人専用にCASという育成コースや
FMPという育成コースが用意されています。
これらのファイナンス人材育成コースは
いわば、GEのエリート養成コースで
非常に厳しいですが、しっかりと鍛え上げられ
これらのコースを経験した人材は
GEの中でも幹部になっていく可能性が非常に高くなります。
また、GEのCASやFMPを経験した人材は
他社においても評価されてCFOになっている人材が多くいます。
あまり広くは知られていませんが、
このようにGEの財務人員は特別に鍛え上げられるわけです。
当然、この間に日系大手企業の財務で売掛金管理や固定資産管理など
ばかりやって思考を鍛えられず、作業ばかりやらされて育つ経理人材とは
レベルが違ってしまうわけです。
この差は元々の人材の質の問題ではなく
企業の環境の問題であり
本当にもったいないなと思うわけです。
だから、若くて優秀で将来はCFOになりたいと思う人は
日系大手にいくのではなく、GEなど財務人員の育成に強い企業に行って
若い時から思考を鍛え上げていくとCFOになれる可能性が
非常に高くなるというわけです。
T型人材になる
T型人材というのは
財務の専門性に閉じこもるのではなく
財務の専門性をコアにしつつも、
財務以外の領域である人事やITや総務や営業や物流など
それ以外の領域にも手を伸ばしていき
企業価値をあげる業務を行える人材というイメージです。
僕の尊敬するCFOの先生ゲーリーウィルソンもこういっています。
「僕は、財務に強い経営戦略家だと思っています」
つまり、財務をやっているんじゃなくて経営戦略をやってるんだというわけです。
昆さんはスリーエムジャパンのCFOを卒業して
現在はCEOを務めておられます。
名実ともに財務の専門家ではなく経営者というわけです。
彼がCEOになったのも偶然ではなく
非財務を見れるようになった結果だと思います。
この非財務を見るようになったきっかけは
ファーストリテイリングでCSR担当役員になったことだといっています。
また、このようにも言っています。
財務を追求した結果、非財務に目がいくようになった
このコメントは僕も納得できます。
財務的に企業価値の向上をどうやったらできるか
を追求していると、やはり資本政策やコスト削減やM&Aといったことに
なってしまいます。
これらはこれらでやることはいっぱいあり実際に価値も出せます。
が、やればやるほど、実際のビジネス領域の話になっていきます。
例えば、M&Aなんかやっている確実にビジネス領域の話になります。
このように、財務を追求すると財務を超えた領域に目が行くようになるというわけです。
まさにBeyond the Financeというわけですね。
だから、我々も財務を追求しまくって
結果、財務以外のところに目が行くようになったら
それは正しい道にいってるなと思って良いというわけです。
CFO→CEOという道は
FP&Aの先駆者と言われる
ITTの有名CEOであるハロルドジェニーンもたどった道です。
ハロルドジェニーンもCFOをやっていましたが
最後はCEOになっています。
この人についても研究しているので
また後日、紹介したいと思います。
昆政彦さんがスリーエムジャパンでやったこと
もちろん彼がスリーエムジャパンでやったことについて
中身を知ることはなかなかできません。
が、色々なインタビューなどで話されていることで特徴的なところが一つあります。
1. スリーエムジャパンにFP&A組織を本格的に持ち込んだこと
2. 予予分析
の二つです。
今日はこの二つを学んだので紹介してみたいと思います。
スリーエムジャパンの財務組織図
スリーエムジャパンの組織図は非常に特徴があります。
CFOの下に財務、HR、ITなどがぶら下がっているのは当たり前ですが
もう一つビジネスカウンセルという機能をぶら下げています。
このビジネスカウンセルは実際の座席は各事業部に置いており
各事業部の財務関係のサポートを行う役割をになっています。
が、レポートラインはCFOというわけです。
まさに外資系のCFO組織におけるFP&Aの組織です。
これをスリーエムジャパンに設置するために会社を強く説得したというわけです。
予予分析
次に紹介したいのが、予予分析です。
なんだそりゃって感じですよね。
これは昆さんの造語だと思いますが、
僕は米国の子会社の人から聞いたことがありますが
米国の先進的な会社では当たり前だとのことです。
予算実績分析=予実分析と言いますよね。
ですが、欧米系の会社では
予算予測分析=予予分析というものをやるというわけです。
予算と予測を合わせるために
何ができるのかのアクションプランを財務と事業部が一緒になって考え
必ず予算を必達させることができるというわけです。
これを予予分析といってやりだしたというわけです。
まあ、日系大手でもやっている部分があるかもしれませんが
欧米系ではより踏み込んでやっているものと思います。
具体的な違いというのは
事業部責任者と一緒になって戦略を組み立て施策まで作る
価格設定や原価低減などの施策を部署に席を置いて
一緒に作って行くことでファイナンスでありながら
事業部に影響力を行使していくということが違いです。
これを実行するために必要な仕組みの一つが予予分析だというわけです。
昆政彦さんからの学びのまとめ
僕が彼から学んだことのまとめとしては次の点です。
1. 財務を追求しまくって非財務領域まで手を広げる
(=CFOを目指すのではなくCEOを目指す)
2. 財務に強い外資系への転職を恐れずに実行する
3. FP&A組織を実際に導入する
4. 予予分析の実行をする
これらについて、僕はほとんどのことは実際に業務の中で取り込もうと思いました。
ゲンタ
こんにちはゲンタといいます。
自己紹介をします。
<昔>
・元ニート兼プータロー
・零細企業経理部で伝票を起票したり請求書を発行したりと作業仕事
・年収は300万円で、超いけてない経理マン
↓その後、改善施策を実施
<今>
・海外CFO
・従業員数千人企業の管理部門、M&A、FP&Aを統括
・年収は数千万
大きく変わることができました。
変わるポイントは作業型から思考型に仕事を変えていったことでした。
ブログのコンセプトは、 Beyond the Financeと言います。
なんだそりゃって感じですよね?
”作業地獄型の経理から脱出して、思考型経理になろう”
というのがその意味です。
思考型経理って一体なんだろう?と思っていただけたら
下記のリンクから読み進めていってください。
皆さんの人生が変わるきっかけになるかもしれません。
よろしくお願いします。
ゲンタ