経理財務実務

株主価値、事業価値、企業価値ってどう違うの?〜ソフトバンクの決算説明会から考える

こんにちはゲンタです。

 

今日はソフトバンクの決算説明会の動画をみていました。

 

その中の孫正義さんの発言で、

株主価値を一番重視している。それ以外はある意味詳細です。あまり意味がありません。

というものがありました。

 

この発言の背景は、ソフトバンクが事業会社から完全に投資会社へ脱皮したことを意味しています。

 

今回の決算で営業利益は81%増加しましたが、

ソフトバンクビジョンファンドの営業利益が

これに貢献しているのです。

 

しかし、その営業利益の増加はほぼSVFの投資先の株式評価益によっているというものです。

こういう会計上の売上、営業利益などをみてもしょうがないというわけです。

 

孫社長はここをみて経営していないと明確に言っています。

何をみているか?

 

株主価値をみていると言っています。

まあ、そりゃあそうなんです。

 

なぜなら、孫社長はソフトバンクを投資企業としてみて経営しているからです。

有望な投資先にお金を投資して、投資先が成長することによって

投資したお金が膨らませていくべく経営しているわけです。

なので、営業利益なんかではなく、株主価値がどうなったのか?を重視しているわけです。

株主価値ってなによ?

M&Aなどのバリュエーションなどで株主価値の計算が出てきます。

 

ですが、恥ずかしながら僕も昔よく、

株主価値、企業価値、事業価値、時価総額と言った似たような概念が、

いつもごっちゃになっていました。

 

似たような言葉でわかりにくいんですよね。

 

ですが、企業価値と株主価値は明確に異なります。

 

なので、これらがごっちゃになる人やこれらを知らない人のために

これらをはっきりとわかるように、説明していこうと思います。

事業価値と企業価値と株主価値とは?

まずはこのチャートをみてください。

これがわかっていればこれらの概念がわかっていることとなります。

 

 

 

 

 

時価総額(株主価値)

発行済株式数✖️株価=時価総額

で計算されます。

 

まあ、わかりやすいですよね。

 

事業価値

時価総額+Net Debt(=有利子負債ー非事業価値)=事業価値=EV(Enterprise Value)

となります。

 

事業を行うことによって生み出される将来の価値の現在価値のことです。

 

なので、もう一つの計算方法としては

将来CFを割引率で割り引くことによって計算されることもあります。

 

計算の考え方が異なるので、ここではあくまでも補足とさせてもらいます。

 

よくバリュエーションでは、同業他社のEV/EBITDAの中央値や平均値を使って、

その会社のEBIDTAに上記EBIDTA倍率をかけてそこからNet Debtを差し引いて株価を算定したりします。

それに加えて、将来CFを割り引いてDCF法でEVを出してNet Debtを差し引いて株価を算定します。

これらを比較検討して、最終的に価格を決めるわけです。

 

ちょっとややこしいと思うので、ここでわからないなと思ったらこの部分は飛ばしてください。

また別にわかりやすく説明します。

 

非事業価値

保有している現預金、短期の有価証券(金融商品)の時価のことです。

 

企業価値

時価総額+有利子負債=企業価値

となります。

 

というように計算されます。

 

これらの計算方法は結構、間違えやすいですし、

会計士でも間違えやすいところだったりするので覚えておくと

すげーと思われたりすることもあるかもです。

(知ってるからって価値が生み出せるってわけでもないのですが)

 

ちなみに、

孫さんのプレゼンの中では株主価値=保有株式のFair Value – Net Debtが、

ソフトバンクの本来の価値だとして説明されていました。

 

これに対して、実際の時価総額は大きく下回っているというわけです。

今日のお勧めアクション

何にしても、ソフトバンクの決算説明会の孫正義社長のプレゼン内容は

財務的にも勉強になるし、ビジネスの今後の方向性を感じる上でも勉強になるので、

ぜひみていただくことをお勧めします。

 

AIを使ってどうやってビジネスを拡大していくのか?

について親切に孫社長自ら教えてくれています。

https://webcast.softbank.jp/ja/detail/video/ref:20190509_01_ja

 

ゲンタ

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僕は大学卒業してからも プラプラとニートをしてました。

その後、零細企業になんとか潜り込みました。

そのあとは、簿記1級やUSCPAを取得したりつつ、

転職活動をやりまくりました。

その結果、一部上場企業に入社することができました。

決算などの作業仕事はほぼやらず、

プロジェクトを回したり、海外出張にいきまくるなどしました。

今では海外でCFOをやっています。

年収も1000万を超えました。

今後はファイナンススキルとプロジェクトマネジメントスキルを武器にして、

上場企業のCFOになってクリエイティブな仕事やろうと日々色々と学び、行動しています。

このブログのコンセプトは、 “Beyond The Finance” といいます。

なんだそりゃってかんじですよね。

もうちょっと詳しくみてやろうかなと思う方はこちらから読んでください。

こんにちはゲンタといいます。

自己紹介をします。

<昔>
・元ニート兼プータロー
・零細企業経理部で伝票を起票したり請求書を発行したりと作業仕事
・年収は300万円で、超いけてない経理マン

↓その後、改善施策を実施

<今>
・海外CFO
・従業員数千人企業の管理部門、M&A、FP&Aを統括
・年収は数千万

大きく変わることができました。
変わるポイントは作業型から思考型に仕事を変えていったことでした。

ブログのコンセプトは、 Beyond the Financeと言います。

なんだそりゃって感じですよね?

”作業地獄型の経理から脱出して、思考型経理になろう”
というのがその意味です。

思考型経理って一体なんだろう?と思っていただけたら
下記のリンクから読み進めていってください。

皆さんの人生が変わるきっかけになるかもしれません。

よろしくお願いします。

このブログの目的~Beyond the Financeはじめに こんにちはゲンタです。 僕は大学時代にさぼってしまい大学卒業後も就職もせずにぷらぷらとニートになりました。 その後、...

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