思考

【管理会計の具体例まとめ】経理から業績に貢献する具体的な方法について、実務で使う方法を考えてみた

今日は管理会計を使って、

具体的に経理からどうやってバリューアップに貢献できるのか?

について話をしていきたいと思います。

 

といいますのも、

先日、社長から経理からも売上や利益を上げる方法を考えてくれと指示が出ました。

 

ついに来てしまったか・・・・この時が。。。

これにしっかりと打ち返せるようになれば、

俺のファイナンスのキャリアは安泰だな・・・・と思い、

頑張って考えてみました。

 

これからの経理マンは自分は経理という

ような気持ちで仕事をするべきではなく、

経営企画(FP&A)だと思って、

仕事していくべきです。

 

そのほうが確実に人材バリューが上がって年収も上がります。

それに、そんな風に考えている経理マンはめっちゃ少ないから、
希少性が出てくるのでブルーオーシャンです。

 

今後はそういう人だけが高い給料を獲得できるし、
これまで通り財務会計の巣に引きこもっている人はずーっと低い給料に甘んじてしまいます。
価値があると思ってもらえないでしょう。

具体的に管理会計を使ってどうやってバリューアップするか考えてみる

 

結論からいくと、
一つ一つできることをやるしかありません。

 

管理会計といえど、魔法のようなものはないです。

あくまでも管理部門としてどう考えるか?
です。

 

しかしながら、経理だって利益貢献(価値創造)していけるし、

それが本当の使命です。

 

全てに共通するのは、
⑴現状調査(分析)

(2)内容精査、打ち手はないか?

(3)打ち手の実行

です。

 

コストはでかいところから手をつけていき、絞れるところを考えていきます。

次に売上についてもみていきます。

コスト分析によってインサイトを提供して利益貢献(価値向上貢献)

原材料価格

・各業者毎に毎月、単価いくらで仕入れているのか?その変動要素は何か?別の業者を使うことはできないか?
また、外貨建てで仕入れているのであれば為替予約をしてコストを平準化できないか?

・原材料仕入れコスト:
原材料仕入れコスト(船積み代や関税、物流費など)について、各Shipping毎にどのようになっているか?を整理していく。
そこからShipをまとめることによってより効率的な物流ができないか?
もしくはフォワダーのマージンは各社どのようになっているか?同じか?違う場合、より安いフォワーダーがいないか相見積もりとっていく。
上記原材料仕入れ先を変更することで組合わせて仕入れコストを削減することはできないか?

販売促進費

販売促進費を現状何の目的に使っていて(どのチャネルのどのブランドの売り上げ向上のために使っているのか?)、その効果が本当にあるのか?
販売促進費を使わない場合、どの程度の売り上げの落ち込みになるのか?
それによって限界利益率がどの程度下がるのか?逆に上がるのか?
販売促進費をかけて販売数量を増やすことで逆に営業人件費を回収できるのであれば、
よりコストをかけてでも売上を取りに行った方がいいのか?
その場合、新しいチャネルを開拓するために営業人員を採用したり、固定費を増やすべきなのか?その見込みが立てられないか?
新しい商品を同じチャネルに流し込んでいく(クロスセル)ことで、固定費を回収するための営業効率を高められないか?
商品戦略にも繋がってくるが、フロントエンド商品を売っている場合、バックエンド商品を作ることはできないか?
そのことによって、質の高いフロントエンド商品をしっかりと販促費をかけて売って、固定客(ファン)を作って、
バックエンド商品で利益を稼いでいくことはできないか?
リサーチ→集客→教育→販売→アフターフォローの流れの中で、販売促進費を何の目的で使っているか?
呼び水として使い、それが将来、利益回収できる投資として機能しているか?
していない場合はカットすべきだし、機能している場合は、新しいマーケットで同様の狙いを作っていけないか?

 

人件費
各部署における給料はインセンティブを適切に設定できているか?
会社の戦略とマッチしたインセンティブを適切なポーションで設定することによって、
モチベートさせることと社員の生活基盤とのバランスを取れないか?
具体的には営業人員の給料によりインセンティブ割合を大きくして、売上拡大を狙えないか?
管理部門のコストは適切な範囲か?無駄に雇ってしまっている部署の人員はないか?
管理部門の人員から直接部門に移転させる事によって、より利益貢献をすることができないか?
管理部門の人員が少なくて済むようにRPAやITを適切に活用することはできないか?
人員の離職率は低いか?離職率が高い場合、ノウハウが引き継がれずに業務の効率性が悪くなっている可能性がある。
離職率を下げるためには何が必要か?社風の改善か?福利厚生でライバルに負けているのか?
マネジメントの方法が悪いのか?
離職率が高いとさらに採用コスト(エージェントコスト等)がかかり、人事部門の人員を相応に備える必要が出てくる。

宣伝費

無駄うちの宣伝費はないか?
しっかりと効果測定をして、検証を行う。
無駄撃ちになっているのであれば、カットする。
もしくは宣伝内容自体を見直す必要がある。
それによって、宣伝の投資対効果を高めていく。
これを促すためには、宣伝部に対して効果測定の報告を促しつつ、
その報告内容が甘くないか詰めていくという方法がある。

 

研究開発費
いわば、攻める武器作りのためのコストである。
もっと投資を増やしたら、もっと作りたい利益の上がる武器が作れるのか?
現体制で作れないのであれば、研究開発部員の採用を行ってもっとコストをかければ利益のでる武器が作れないか?
逆に、このタイミングで売るための武器が揃っていて、まずは売るタイミングであるならば、
研究開発費が無駄に垂れ流されていないかの検証をする。

一般経費

その他一般経費の内訳をきっちりと把握し、
絞り込めるものはないか確認していく。
例えば、弁護士費用などが高額になっている場合は、よりグレードの落とした事務所に依頼し、
コンテンツは変わらないように対応できないか?など。
他にもコモディティである事務用品やコピー代などは無駄にカラーを使っていないか?
もっと安いプライベートブランドの事務用品に変更できないか?
オフィスの効率性はどうか?
など総務部に検討させる。

また、そもそも管理部門の業務を整理してしまい、
マレーシアなど安い国にアウトソーシングしてしまう。

もしくは、M&Aをして売り上げのカサ自体を上げてしまい、
管理部門を統合してスケールメリットをとって、固定費負担を下げていく。

オフィスのリロケーションによって効率性を上げられないか?

法人税や関税や事業税などの税金コストを下げられないか?

優遇税制を使えないか?
グループ会社と合併したり組織再編することでトータルで税務コストを削減できないか?
このような税金コストは他部署は考えることができないので、独壇場です。

金融コスト

借入金利、銀行手数料なども金融機関との折衝や相見積もりで
下がる可能性が高いです。
(僕は実際に過去、幾度となく実行してできました)

こうしてみていくと、企業活動のあらゆる領域に食い込んでいく事によって、
いくらでもやれることはあるな・・・・という感じがしませんか?

僕はこれを書き出してみて(視覚化してみて)、ああ、、やれること死ぬほどあるなと思いました。
この辺を追求するだけでも、企業は一つのものとして筋肉質な方向に向かっていく感じがします。

それはまるで各部署各人が自分の都合で動いていたのを
一つの肉体として最適化する事によって、贅肉をそぎ、筋肉質になって
強い体を作っていくかのようなイメージです。

次に考えてみたいのが売り上げの拡大策です。

売上拡大の施策

販売促進費のところでも少し書きましたが、

売り上げ拡大のための施策を営業だけに任せておくのは野暮です。

経理(=経営企画)として、できることを考えていってみましょう。

 

M&A
一言にM&Aといっても、

事業だけを買う場合、

ブランドを買う場合、

会社丸ごと買う場合など
いろんなパターンがあります。

いずれにせよ、これをやる場合は、売っている値段よりもより高い値段(価値)に改善できるためのスキルが
現状の会社に必要です。

そのためには、現状の会社が持っている強み・弱みをしっかりと把握する必要が出てきます。
自分の会社の強みが生産効率性や資材コストが安いこと出合った場合、
M&A候補の事業の製造コストを分析して、ああ、これならこれくらい安くできるなとかがわかってきます。
また、別の商品を買う場合で、同じチャネルに流し込んでいける場合、
完全に営業効率が上がるという考え方もできます。
そうすると、営業人員をこれくらいカットしても同じ売り上げが出せるな、そうするとこれくらい利益が上がるなとできる。

もしくは、既存商品のポートフォリオに足りないより高付加価値商品群を持っている事業であれば、
補完関係にあり、既存商品をフロントエンドとみて、その顧客基盤にバックエンドとして流していくことで、
一定の成約率をみて、売上増加が見込めるというような計算ができます。

といったようなことを考えていくためにも、
どのようなM&A先があるか?についてロングリストを作っていく。
ということが、喫緊のアクションプランとして整理できます。

そのためにも、既存ビジネスの周辺ビジネスについてどのようなプレーヤーがいるかなどの
市場調査を行っていくという事になります。

もはや財務会計だけをやっている経理って感じじゃないですよね・・・・
でも、それでよくないですか?

こういうことをやっていくためにも、自社の事業ビジネスを細かく把握していく必要があります。
それがコスト分析なんだと思います。

もう、これくらいわかっているやついないわ・・・となってしまえば、
めちゃくちゃ信用されると思います。

というように僕も分析しまくっていきたいと思います。

少し話がずれましたが、次の売上拡大策です。

 

売上5原則を使って売り上げ分析

売上5原則とは何かというと、これです。

1) 新規顧客の獲得
2) 顧客の流出防止
3) 購買頻度向上
4) 買上点数の増加
5) 1点(1商品)当たりの価格向上

売上=商品単価❌顧客数

なので、これを極大化していくためにはこの5つの要素に分解されていくわけです。

 

新規顧客の獲得
今まで攻めていなかった地域はないか?
ライバルが弱い地域はないか?
新しいチャネルを使えないか?リアルだけでなく、ネットを使うことはできないか?
などを考えていき、有望そうな新規顧客ターゲットが見つかったら、
それを攻めるためのコスト=販売促進費を割り出し、投資対効果が適切なところまで作っていき、
PDCAを回す。

 

顧客の流出防止
これはビジネスによっては簡単に分析できますが、(BtoBや、Directセールスなど)
BtoCなど多数を相手にするビジネスの場合は難しいです。

いずれにせよ、既存客の流出防止をするためには、
セールスの基本の型である
リサーチ→集客→教育→販売→アフターフォローのなかの
最後のアフターフォローをきっちりとかけていくことです。

なので、アフターフォローとしてもっと改善できることはないか?
という議論を社内幹部会などで仕掛けていくことが考えられます。

もっと、品質をよくできないか?
不良品を減らせないか?
買ってくれたお客さんにアプローチするための施策はないか?
買ってくれたお客さんにSNSやメルマガで直接アプローチできないか?
それによって、長期のファン化させたり、ストーリーに参加させることはできないか?
などなど

 

購買頻度の向上/買い上げ点数の向上
このためには、アフターフォローとも繋がってきますが、
お客さんのタイムシェアとマインドシェアを奪っていく必要があります。
そのためにもお客さんと直接接点をもつ手段が必要になります。
それがSNSであり、メルマガであり、プロモーションイベントであり、
チャネルの増加であり、単純に接触頻度を上げていくことです。
そのために何ができるか?これを社内の会議でこのように提起するだけでも、
なんか、こいつ経理なのによく考えてるな・・・となるわけです。
(てゆか、本気ですが)

plus、購買頻度/点数/単価向上のためには、
商品自体の仕掛けからも考えれます。
そのような商品の設計にするということです。

安い商品をまずは売っておいて、(フロントエンド)
もっと良い商品、質の高い商品を裏に用意しておき、
満を辞してバックエンドを売っていく。

 

例えば、イタリアンレストランがランチで1000円でコスパの良いランチサービスをやっています。
そこで、昼休み時にOLがランチを食べに行って美味しいし、結構安いとなります。
ああ、今度会社の忘年会ここでやったら美味しいしよくない?
となります。
そうして、40人の部署の忘年会がディナー価格の一人五千円での予約が入る。

この時のランチ=フロントエンド(呼び水)、ディナー=バックエンド(本当に売りたい商品、利益をうむ商品)
というわけです。。

こういう事例は世の中に大量にありまして、こういうように分析するだけでもめちゃくちゃ面白いです。
マクドナルドの百円コーヒー=フロントエンド、セット=バックエンド(昔より高くなりましたよね?結構、利益が出ていると思います)
スカイプ英会話の無料1週間お試し=フロントエンド、1ヶ月二千円(バックエンド)
ドトールの200円のコーヒー=フロントエンド、ミラノサンド=バックエンド、さらにさらにコーヒー豆販売=バックエンド
などなど

また、少し話がそれました。

コレがマーケティングの知識の一部ですね。

 

商品単価向上
これはフロントエンドバックエンド概念も当然なのですが、
そのために必要なのが、既存顧客の教育やアフターフォローによるファン化です。

セールスの型である
リサーチ→集客→教育→販売→アフターフォローの流れの中でいくと
教育、アフターフォローの強化が必要です。
これをなんとかできないか?と社内で提起するだけでも面白いです。

また、そもそもバックエンドを用意していないのであれば、
バックエンドを用意してアフターフォローの流れの中で販売を仕掛けていく仕掛けを用意するという
方法が考えられます。

バックエンド商品を作るのが時間がかかりそうであったり、
市場にすでにある場合は、その商材自体を買収してしまうという方法を考えることもできます。

もしくは、補完関係にあるような商品を持っている会社を買ってしまう。

まとめ

つらつらとかきなぐっって来ましたが、いかがでしょうか?
こんな感じで僕は実際に会社の会議で提案していってますし、
実際にコスト分析、会社の強み・弱み分析、市場の分析等を行っています。

大変ですが、これをやっていくとめちゃくちゃ面白いです。
だし、会社の中身を誰よりもよく理解できるようになってしまいます。
そのため、不安になることがありません。

本来、経理はこのような分析をしっかりとやることによって
初めて財務諸表が適切に作れると思っています。

また、このような分析をやっていくと、
財務諸表に現れない価値っていうのもあることに気付けたりします。
(というか、それが本当に大事なものだったりします)

それは、従業員のロイヤリティやノウハウの蓄積だったり、
それによって生み出されるチームワークだったり、
ブランド価値だったりです。

それが企業の利益や売り上げアップにつながり、
企業価値として表現されるんだな〜ということがよくわかります。

で、それが買収されるときに表現されるのれん(Good Will)になります。

これを向上していくことがファイナンスの役割です。

ということで、今日の記事内容はめちゃくちゃ重要だなと
これを一つ一つやっていけるだけでも、めちゃくちゃ希少な人材になれるし、
誇れる実績になるはずです。

そのためには思考力を鍛えて行って、どんどん実践していく。

思考力を鍛えていく上で一番簡単なのが、

マーケティングを学んでいくことだったり、世の中の原理原則を学んで、

日常を分析していくこと。

これがまじでポイントだと思います。

意外と簡単にできてしまったりします。

はっきり行って、センスと才能とかはいらないです。

知ってるか知らないか?

知ってしまったら、あとはやるかやらないか?

だけです。

 

それだけで、人生の行き着く先が変わって来てしまいます。

ぜひ、ドンドン知を蓄えて行って、実践していきましょう。

そのために何を勉強していけばいいかはこのブログで

ドンドン公開していきます。

ということで、終わり。

 

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僕は大学卒業してからも プラプラとニートをしてました。

ですが、その後USCPAを取得したり転職活動をして

今では一部上場企業で決算などはやらずに複数のプロジェクトを回したり、海外出張にいきまくるなどしてます。

年収も1000万を超えました。

今後はファイナンススキルとプロジェクトマネジメントスキルを武器にして、

CFOになろうと日々色々と学び、行動しています。

このブログのコンセプトは、 “Beyond The Finance” といいます。

なんだそりゃってかんじですよね。

もうちょっと詳しくみてやろうかなと思う方はこちらから読んでください。

こんにちはゲンタといいます。

自己紹介をします。

<昔>
・元ニート兼プータロー
・零細企業経理部で伝票を起票したり請求書を発行したりと作業仕事
・年収は300万円で、超いけてない経理マン

↓その後、改善施策を実施

<今>
・海外CFO
・従業員数千人企業の管理部門、M&A、FP&Aを統括
・年収は数千万

大きく変わることができました。
変わるポイントは作業型から思考型に仕事を変えていったことでした。

ブログのコンセプトは、 Beyond the Financeと言います。

なんだそりゃって感じですよね?

”作業地獄型の経理から脱出して、思考型経理になろう”
というのがその意味です。

思考型経理って一体なんだろう?と思っていただけたら
下記のリンクから読み進めていってください。

皆さんの人生が変わるきっかけになるかもしれません。

よろしくお願いします。

このブログの目的~Beyond the Financeはじめに こんにちはゲンタです。 僕は大学時代にさぼってしまい大学卒業後も就職もせずにぷらぷらとニートになりました。 その後、...

ゲンタ